&CRAFT COFFEE スタッフでもあり構成作家でもあるスゲハラアツシがお送りするコーヒーコラム
コーヒーにまつわるお話を豆知識を添えてお送りします。
#03 「眠れるコーヒー〜すやすや眠るためには、飲む時間はいつがいい?〜」
最近は「睡眠改善ブーム」なこともあり、日本人にとって“眠気覚まし”的な役割も担っているコーヒーを避けるようになった人が増えたと聞きます。
嘆かわしいことです。
頑張って働くために、もしくは一時の息抜きを彩るために楽しんでいたコーヒーを、眠りのために辞めてしまうなんて。どれだけ日本人は疲れているのでしょうか。
せめて日常から楽しみが減らないように、コーヒーを辞めずに心地いい睡眠を取る方法を考えてみたいと思います。
1日の中でどんな風にコーヒーを楽しめばいいのでしょうか?
大きな2つの疑問を出発点に、調べてみました。
眠るためにはコーヒーは1日何杯飲んでいいのか?
眠りを妨げてしまう元であるカフェインですが、1日にどの位まで摂って良いのかという明確な基準は、日本ではまだ作られていないそうです。
そこで海外の基準を参考に見てましょう。
欧州食品安全機関(EFSA)が2015年に公表した「カフェインの安全性に関する科学的意見書」では健康な成人であれば習慣的なカフェイン摂取量は1日に400g以内であれば健康障害を起こすことはないとしています。コーヒーであればコーヒーカップ(150ml)で4~5杯程度は飲んでいいそう。
あくまで欧州基準なので、日本人で考えるともっと少ないかもしれません。2〜3杯といったところでしょうか。
ではこの2〜3杯を、いつ飲めばいいのでしょう。
眠るためにはコーヒーはいつ飲むべきなのか?
結論から言って、コーヒーを飲むべき時間は
- 9:30~11:30
- 13:30~17:00
この2つの時間枠だそうです。それぞれ見ていきましょう。
最初のコーヒーが9時半頃からである理由
早朝、起きてすぐのコーヒーは
- 睡眠時の発汗により、水分が足らない状態の寝起きの体に利尿作用のあるコーヒーを飲むと、体内の水分が不足し過ぎてしまう
- 朝の目覚めやその日を楽しむことを助けようとするホルモンの働きを、カフェインが弱める
という理由から、あまりおすすめされていないそうです。
起きてから水分を摂り、体を起こすホルモンの働きを待ってから、9時半ごろに摂るコーヒーのカフェインが、最も覚醒作用を存分に発揮してくれるといいます。
コーヒーを飲むのが17時までである理由
これはあくまで就寝時間からの逆算と言えるでしょう。
カフェインは摂ってから30分~1時間後に血中濃度がピークとなり、半減するまでに3~5時間がかかります。
つまり、退勤前のもうひと頑張りに!と、18時にコーヒーを飲んだとしても、23時には血液中にまだカフェインは流れています。
日本人の平均的な就寝時間は23時12分と言われていますから、よりより睡眠のためには眠る6時間以上前、つまり17時までに最後のコーヒーを済ませたほうがいいのかもしれません。
でも、私は、イタリアンのディナーを楽しんだ後に飲むコーヒーが大好きです。時間で言うと、22時ごろに飲んでいるでしょうから、明朝4時ごろまで私は眠れません。
仕方がないので今夜は映画でも見ようと思います。思い思いに楽しむのが一番ですよね。
明日の朝、どうしても早起きしないといけないコーヒーラヴァーは、この記事を参考にしてみてください。