コーヒーと人間

COFFEE COLUM#01「コーヒーと人間」

&CRAFT COFFEE スタッフでもあり構成作家でもあるスゲハラアツシがお送りするコーヒーコラム

コーヒーにまつわるお話を豆知識を添えてお送りします。

#01 「コーヒーと人間」

個人的な意見ではあるが、酒の原料は世界中どこでも生産できているから、世界中の人が楽しんでいることに特に不思議はない。

しかしコーヒーは別だ。

コーヒーはそのほとんどが、北回帰線(北緯25度)と南回帰線(南緯25度)の間の熱帯地域で生産されている。 俗に「コーヒーベルト」と呼ばれている地域だ。

「コーヒーベルト」とは

コーヒーの栽培に適した気候、土壌の地帯のこと。赤道をはさんで北緯25度、南緯25度の間のベルト地帯で「コーヒーゾーン」とも呼ばれる。

広い地球の、限られたエリアでしか生産されない果実から作られる飲み物は、その発見と伝搬から世界中の人間の心を掴んで離さない。

なぜこれほど我々はコーヒーにのめり込むのか。

コーヒーにのめり込む理由

コーヒーチェリー

「コーヒーノキ」と言うそのままの名前の木から収穫される、女性の唇に塗られているとすれば少し怯んでしまうほどの赤色をした コーヒーの実。その実の種こそが「コーヒー豆」である。

「コーヒーの実」とは

コーヒーの木の種子で、赤道付近で栽培されている果実。コーヒーの木は真っ白な花を咲かせ、その後に緑色の実ができ、完熟すると真っ赤になります。その姿がさくらんぼに似ていることから「コーヒーチェリー」とも呼ばれています。

果実を捨て、その実の種を収穫したら、今度は焙煎(ロースト)する。

生豆にはまだ青臭い香りしかないが、この焙煎によって、初めて芳香や苦味、酸味といった味わいが生まれる。

火で炙られるという痛みを経験することによって深みを手に入れる青臭い香りの豆のことを、人間は他人とは思えない。

よもやこの特性は、人間がこの植物をこの先永く愛することになる 地球からのサジェスチョンだろうか。

コーヒーグラインダー

焙煎されたコーヒーを細かい粒子に挽くことを粉砕(グラインド)という。均一な粒子に仕上げて、お湯に触れる表面積を大きくし、成分を抽出しやすい状態にする。

そしてフィルターを通して、粒子と触れ合ったお湯が出てくる。香った瞬間「コーヒー」だと分かる、しかし決して主張の強いわけではない魔法の香り。

魂を活性化し、精神性を覚醒させる苦味。

我々はもう、コーヒーなしには生きられない体になってしまった。

それが「コーヒーノキ」の、種としての生存方法だったのかもしれない。

スゲハラアツシ

構成作家をしています。
地上波やWEBコンテンツなどで構成を担当。さまざまな媒体でコラムを執筆。
好きなコーヒーの飲み方:ドリップコーヒー

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